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繁栄のための最後の切り札

大前流心理経済学 貯めるな使え!

大前 研一

大前流心理経済学 貯めるな使え!

貯まりに貯まった個人金融資産1500兆円
それを繁栄の「最後の切り札」とできるか?
日本人よ、いまこそ不安心理を捨て去ろう!

1500兆円の個人金融資産は、たとえるならば巨大な水ガメである。この水ガメに貯まった水が流れ出したなら――。世界がこれまで経験したことのないインパクトの経済効果が生まれる。そして、水ガメを揺さぶるキーワードこそ「心理」なのだ。日本人固有の不安心理を取り除くことこそが、1500兆円の膨大な水が市場へ流れ出す引き金となる。
私が本書で提示するのは、「心理経済学」というまったく新しい経済概念である。もしかしたら それは、「心理経済革命」と呼ぶべきものかもしれない。 ―――「はじめに」より








コソボに見る21世紀の国家の形


2007年12月中旬、欧州のEU外相理事会でコソボ問題が話し合われた。コソボ問題とは、言うまでもなくセルビアにあるコソボ自治州独立の問題だ。EUの多くの国では、コソボ自治州を独立させてやろうという考えである。ある意味では「余計なお節介だろう」という気もするのだが、多くのEU諸国は独立を支持することを提言として出しているのだ。

英国、ドイツ、フランス、イタリアなどは、「交渉は行き詰まった」と言い、EU単独でも独立容認を検討する考えでいる。それはフランスのジュニ・欧州問題担当大臣の「フランスは、コソボの独立宣言が不可避だと信じている」という発言からも推し量れるだろう。コソボ自治州は一方的に独立しようとしているが、それに理解を示したものといえる。

それに対して、もう一方の当事者であるセルビアは、当然ながら独立には反対で、「戦争も辞さず」という姿勢を崩していない。ロシアもまた、独立に反対の立場である。

コソボ問題は、1999年のユーゴ空爆のころに日本のメディアでも大きく取り上げられたのだが、最近ではイラクやアフガニスタンなど他の戦争、紛争の陰に隠れて目立たなくなってしまっている。今回は、このコソボ問題について解説していこう。




国がいくつにも分裂していく

まずコソボ自治州の独立問題とはどのようなものであったかを振り返ってみたい。

バルカン半島に位置するセルビアは、昔はユーゴスラビアと呼ばれていた。今よりもずっと大きな国だった。ユーゴスラビアは地域ごとに共和国になっていて、それぞれに大統領がいた。そしてユーゴスラビア全体を統括する大統領(コソボ紛争のときのミロシェビッチ大統領がこれにあたる)が別に存在していたのである。

ユーゴスラビアでは、多くの民族や宗教が混在していた。そのため共和国ごと、地域ごとにいろいろな顔を持っていて、国内の紛争も絶えなかった。その結果、90年代に入ってから独立が相次ぐ。スロベニア(1991年)、マケドニア(1993年)、クロアチア(1995年)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(1995年)、モンテネグロ(2006年)という具合で、残されたセルビアも独立宣言をし、現在に至っている。つまり、現状でさえも旧ユーゴスラビアから六つの独立国が誕生した状態ではあるが、そのほかにコソボも独立させてしまおう、というのがEUの考え方である。

理由はさまざまにあるとしても、それでも一つの国がこれだけ多くの国に分かれてしまったわけだ。このバルカン地域を何回か旅行しているわたしですら「こんなことがあるのか」と驚くような成り行きである。変遷の過程で「セルビア・モンテネグロ」という国名であった時代もあるのだが、とにかく「ハイフン」でつないでいた地域がバラバラに独立してしまった感じだ。

もっともマケドニアは、ギリシャにも同名の州があり、これがアレクサンダー大王の出身地でもあるので、その名前を先にとってしまおうという駆け引きがあった、とわたしのギリシャ人の友人たちは悔しがっていた。つまり旧ユーゴの各地の混乱に乗じて、またセルビアの力の衰えに付け入って、“夜陰に乗じて”独立したような気軽さなのである。




スロベニアの成功が刺激に

なぜこんなことができるかというと、大きく分けて二つの理由がある。一つはスロベニアの独立が成功したことである。人口200万人しかいないスロベニア(首都・リュブリャナ)は独立したあとにハイパーインフレなどの苦渋を味わったが、ユーゴ北部の工業地帯でもあったために貿易は黒字に転じ、経済政策もしっかりしたものになって、いち早くEUに加盟し、続いて通貨もユーロに切り替えてしまった。いまでは新興EU加盟国の優等生といわれている。

つまり、もしEUに入れる可能性があるなら、そして「やがてはユーロ」ということになるのであれば、国の大きさは関係ない。ルクセンブルグなどは人口も46万人と小さいが、EUの有力メンバーである。また今ではEUのほかにもEEA(欧州経済領域)というものがあり、アイスランド(人口30万人)やリヒテンシュタインなどはEUに入ることは拒否しているが、経済的にはいろいろと互恵関係を結ぶということも可能になってきている。特に人口3万4000人しかいないリヒテンシュタインはスイスの拒否しているEEAには加盟しながら、通貨はスイスフランである。

だから、昔のように一定の大きさでないと国が経営できないという観念、そして最大公約数を取ることに伴うさまざまな(人種的、宗教的、政治的)妥協などするくらいだったら、まとまりのいい小単位で独立し、経済政策を充実させて外資を呼び込み、その勢いでEUに加盟しようというゴール(着地点)が見えるのである。これが一種の安堵感となり、いまこうした小国が煩わしい歴史的絆を断って独立、という選択肢につながっているのである。

新しいEU加盟国であるブルガリアやルーマニアを見ていても世界中からカネが流れ込み、いまでは不動産を筆頭に相当なバブル経済となっている。これらの国は賃金が月300~500ドルくらいのレベルであるから、裕福なEUメンバーの10分の1以下である。にもかかわらず、ソフィアやブカレストには1億円のマンションが次々に建てられている。ブルガリアはこの1月1日から所得税を10%のフラットタックスにしてしまった。多くの旧共産圏諸国(ロシア、バルト三国、カザフスタンなど)がそうであるように、フラットタックスにすると地下経済が地上に出てくるし、金持ちには多くの可処分所得が残り消費・景気が盛り上がる。

そのほかブルガリアは低所得税にすることによって富裕層が引っ越してくることを狙っている。既にお隣のトルコやギリシャの経済人も頻繁に訪れているが、イズタンブールからソフィアまでクルマで4時間。ブルガリア側に高速道路が出来れば3時間くらいで東京-軽井沢の距離である。所得税が10%なら居住地を移そうという人が出てきてもおかしくない。EUという巨大経済圏の中にあっては、小国には小国の知恵と機敏さが有効だ、ということを皆学んでしまったのだ。

クロアチアはその風光明媚な海岸と情緒溢れる都市(ドブロブニク、スプリット、シュベニック、オパチア、ロブニなど)から欧州でも有数の観光地になってきているし、英国人などの老後の住まいとしても古い家屋が飛ぶように売れている。その南隣のモンテネグロも独立するやいなやロシアからの投資が殺到し、いまではリゾート開発などをロシアの金持ち企業が行う、という盛況である。

同じことは伝統的にロシアの金持ちが資金隠しに使ってきたキプロスでも起きている。キプロスはかって1974年にトルコとギリシャの支配する地域がお互いに母国を巻き込んで戦争をし、84年には北キプロス・トルコ共和国が宣言されるなど紛争の絶えない地域であったが、今では74万人の人口の85%を占める南部のギリシャ語地区はEUのメンバーとなり、今年1月1日からマルタとともにユーロ通貨に参加した。観光、経済ともに好調である。




独立しても差し障りはない

コソボがなぜ今独立か、という問題を考えるときに、伝統的なセルビアとの問題、宗教対立、などの延長で考えるよりも、EUという大きな機構が経済的なセーフティネットとして機能し始めている、と考えることが重要である。小国であっても“独立して経営していける”という事例が次々に周辺諸国、しかも、一昔前の連邦形成国、あるいは紛争地で実証されていることが大きい。

ちなみにコソボはこうした小国の一つではあるが、人口は200万人くらいになると推計されており(独立を恐れるセルビアが正確な統計データを公表していないため推計しか分からない)、そのうち90%がアルバニア系であるといわれている。セルビア政府の統計では66%、ということであるが、これは今から40年くらい前の数字であるといわれている。コソボの独立運動をしてきた人々は、独立後に隣のアルバニア(人口300万人)と合体してアドリア海へのアクセスを確保し、人口500万人というバルカンでは大国として生きていこう、と考えている人も少なくない。

EUにとってはコソボがテロリストの温床になるのだけは避けたい。いままでは主としてセルビアに対するテロ攻撃であったが、イスラム系ではあってもヨーロッパ人と同じ顔かたちをしている(オスマン・トルコ時代に改宗したインド・ヨーロッパ語族のイリュリア人)ので識別が困難、という問題があるためにコソボの取り扱いを間違えると欧州中で収拾がつかなくなると思っている人が多い。

先になぜ旧ユーゴの連邦を形成していた共和国や自治州が独立を指向するのか、という理由が二つあると言ったが、二番目の理由は独立したい、という必要条件ではなく、独立しても余り差し障りがない、という十分条件側である。

つまり戦後一貫して、特にチトー大統領の下では強固な第三世界のチャンピオン=ユーゴスラビアという連邦制を取っていたので、分裂してしまってはうまくいかない部分が出てくるのではないか、と考えられる。例えば日本が五つに分裂したらトヨタ自動車はどうなるのか、JR東日本やNTT東日本などの概念はどうなるのか、社員は、ブランドは、株主は?――という問題が起こる。そもそも社長が名古屋共和国、となったら大阪共和国の社員は心配しないのだろうか、ということである。また全国ブランドや商権をそのまま他の共和国でも使えるのか、という問題もある。そもそも、名古屋共和国の株式市場に上場した会社の土地、ブランドなどの所有権を他の共和国は認めるのだろうか?

この点、現地に行っていろいろ聞いてみたのだが、全く問題となっていない。理由はどうやら、旧ユーゴスラビアが資本主義経済ではなく会社の所有が社員のもの(その定義も曖昧なものではあるが)であったため、仮に全国展開していた会社が分裂しても工場毎にその土地の社員が所有するということになるので、新しい国境に基づいてすっぱりと縦に線が引ける、ということである。販売ネットワークなどに関しては本社が所有したければし、したくなければ放棄する、という海外事業の国別オペレーションのような感じである。

また、ブランドに関してはもともとそれほど強いブランドがなかったこともあり、新しく生まれら地場の会社のブランドを喜んでつけるという。だから北部のスロベニアのようにユーゴスラビア時代から工場、すなわち本社をたくさん持っていたところが有利になるということでもあり、貿易もすぐに黒字になるということでもある。




ボーダレス化と世界の余剰資金

一方、そういうものが無く、もともと経済植民地みたいな所は地場企業もないので、外資に積極的に入ってきてもらい自由気ままにやってもらうという、まさに規制緩和を超えた、規制撤廃、という大胆な政策がとれるということである。

モンテネグロ、マケドニア、そして(独立すれば)コソボもそうした政策を推し進めるであろう。コソボは欧州では数少ないイスラム圏となるはずであるから、中近東のオイルマネー、イスラム金融を狙った政策を次々と打ち出すであろう。EUに入ればトルコのEU加盟の試金石ともなる。

また経済人は経済人で政治とはかけ離れた行動をとっている。例えばわたしの知るモンテネグロ人のある商売人は主としてクロアチアで輸入代理店を営み、そのカネでロシア人に負けないように(経済開発の遅れている)モンテネグロの不動産を買い漁っている。住居はモンテネグロとクロアチアのオパチアである。また豪華クルーザーを持っており、外国の経済人を招待しては旧ユーゴスラビア全体の(有名ブランドなどの)販売権を取得する、というワンパターンで成功している。おそらくそうした(東南アジアにおける華僑のような)“広域ユーゴ人”が小さな国を越えてバルカン全体で経済的には支配力を増してゆくのであろう。

ロシアがコソボ独立に反対する理由はまさにこうした小国の独立が自分たちの抱えるチェチェンや南オセチアの問題と二重写しになるからである。ましてやコソボの独立が成功したら、ロシアのイスラム地域を勢い付かせる、との危惧があるのは想像に難くない。またルーマニアやブルガリアのような貧しい旧共産国がEUメンバーとして生まれ変われば、ベラルーシ、(西部)ウクライナ、グルジアでもEU加盟の動きが加速するであろう。

そうしたさまざまな国のさまざまな思いが錯綜するのがまさに欧州の火薬庫と呼ばれたバルカンである。しかし、第一次世界大戦のころと決定的に違っているのは国民国家という概念が薄くなり、経済はボーダレス化したことである。紛争で疲弊したところにひとたび平和が訪れると世界中から一斉にカネが流れ込む、という新しい状況である。第二次大戦後の復興には米国のガリオワ・エロアという資金の流れが必要だった。いまは凹んだところを虎視眈々と狙っている余剰資金が世界中に6000兆円もある。コソボ=平和=独立=新しい制度設計、という情報だけでグローバルな資金は流れ込むのである。その大きな安全装置がEUやユーロである。




人々が求めるものと新しい国家の形

この新しい流れに、アジアや米国はいまだ気づいていない。19世紀的な国民国家の概念や、自由と民主主義という理念で他国を支配することはできない。

結局人々が求めているのは「豊かな生活+安全+安心」である。コソボのアルバニア人が見ているのは10年前の紛争当時とは様変わりで、民族の自立とかセルビアの呪縛からの解放、ましてやイスラムの大義、などではない。旧ユーゴスラビアの共和国が次々と調子よくグローバル経済に飛び込んでゆく。新しく作られた税制や国家運営のシステムが面白いように受け容れられ、世界から企業や資金が押し寄せる。その先にはEUへの加盟、ユーロ通貨の採用、などが見えている。現にスロベニアはそうなったし、クロアチアやモンテネグロもEU加盟の審査過程に入っている。

つまり、今回のコソボ独立の背景にあるのは民族自立という表だった理由よりも“グローバル経済の恩恵を受けたいという願望”ではないか、というのがわたしの観察である。

そうなると、国家という19世紀の概念にしがみついているセルビアやロシア、つまりコソボ独立反対派は何をしているのか、ということになる。彼らもまたEUに負けない新しい概念を提供して勝負しない限りカネと労力の浪費を続けるだけ、というわたしの予想もまた同時に付け加えておきたい。


(出典:経営コンサルタント 大前 研一




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  1. 2008/01/12(土) 06:30:00|
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